天敵を用いたハエ対策をしてみませんか
記事作成:本社営業部 M.K
家畜や作業従事者にストレスを与え、近隣の住宅等に飛来して迷惑を掛けるハエは畜産業において悩みの種です。
そこで天敵行動で、総合的ハエ対策の一角を担う天敵バエ「オフィラ」を紹介させていただきます。
ライフサイクルはイエバエとほとんど同じです。卵から成虫になるまでに14~19日を要しています(上図)。
「オフィラ」はイエバエと同様の場所で繁殖しますが、特に豚舎、牛糞堆積場、床下に糞尿処理溝がある子牛舎、鶏舎等が適しています。「オフィラ」とイエバエの差異外観、習性、孵化場所、食性、行動性が異なります(写真)。
初回は100㎡あたり1筒を畜舎内の糞尿近くに設置します。
放飼の間隔は二週間目に再度、その後一カ月ごとに2回、計4回を推奨します。
これは「オフィラ」のコロニー形成に要する個体数を確保するためで、イエバエが大量発生する前に定着することが望ましいです。
防除は天敵行動なので薬剤と異なり抵抗性の発現がなく、家畜、食肉に対しての薬剤残留等の問題が減少します。
環境、人畜にも安全で、定着することで長期間の防除効果が期待でき、薬剤散布等の人件費が減少して経済的です。
ただ、放飼前に使用した薬剤の残効がある場合は、期間が切れてから放飼してください。
糞は乾燥させ過ぎずロニー形成のためには、適度な水分を含んだ糞尿が必要です。設置初期における容器へのネズミやクモの害に注意、蛹の状態で納入しますが、一部羽化している場合があるため、開封は畜舎内で行ってください。
ハエ対策は総合的管理が必要で、発生源を確認して清掃によって除去することです。
その上で補助的に薬剤による化学的対策や物理的対策方法との組み合わせが効果的です。
多量の薬剤散布による人畜、環境への影響やコストを考えた場合、天敵バエ「オフィラ」は安全で有望な手段と思われます。ハエに悩んでいる生産者は当社のホームページを参照、問い合わせ願います。